2017年9月28日木曜日

今期最終です

 多くの地域が今月末で禁漁。秩父もそうなので最後の月曜に出かけてみました。
以前からご一緒したいと思っていたオカベさんを誘っての釣行。オカベさんとは友人を介して知り合い、雑誌のスタイリングにランディングネットをお貸し、それ切っ掛けでオーダーを頂きました。実際にお会いしたのは初めてだったのですが、そんな感じは全くせず、入渓ポイントまでの長いアプローチも会話が途切れることはありませんでした。
 「まだまだ初心者」と聞いていたのですが、キャストも上手くテンポよく釣り上がります。反応はあるのですが小さい。毛鉤は前夜の自販機で沢山見かけたカメムシから#8のイレジスティブルなので食い切れないようです。そんな感じで空合わせを繰り返していると岩陰に入って見えなくなった毛鉤がなかなか現れません。「もしかして」と軽く合わせると魚信が。しかしこのサイズでした。こんな小さいのに丸呑みしてやんの、もう笑うしかありません。

 短い区間で二つに分かれた流れをお互いに釣ってると竿が曲がります。ランディングネットに納めてオカベさんの方を見ると、同じく竿が曲がっています。まさかのダブルヒット。ウヒャウヒャ笑いながらカメラに収めました。
終始、この調子で笑いっぱなし。
出る!のらない、ウヒャヒャヒャ!
かける!バラす、ウヒャヒャヒャ!
幼い頃のザリガニ釣りを思い出しました。

途中からパタッと反応が悪くなったので谿を降り、小さな支流に入ることに。本当に小さな流れ。魚の居場所が決まっているので狙って釣っていきます。オカベさんが一等地前で構えていたので上に上がり振り返ると竿を曲げてるじゃないですか。急いで下ると26cmの綺麗なイワナでした。もう目尻下がりまくり。こちらまで嬉しくなります。
写真を撮って竿を置いた場所に戻り、目の前のポイントにキャスト10秒ほど浮かべて置いたら勢いよく出てくれました。なのに水面直下の反転でフックオフ。橙のお腹を見せ消えていきました。サイズはオカベさんが釣ったのと同じくらいだったかな。その後、反応が全くなくなったので納竿となりました。

いままで、ほとんどの釣行が単独だったのですが、今年は色々な方とご一緒できました。そして最後にオカベさん。喋りまくり、笑いまくりのホントに楽しい釣りでした。翌日の喉の痛みは足の筋肉痛を超えていましたが。
渓流は禁漁となりますが、雪が降るまではオイカワ、スモールマウスバスなどを釣って過ごそうと思います。それらの道具などもご紹介できればと思っております。

2017年9月15日金曜日

網色について

off craftではカスタムメイドのランディングネットを作っております。
オーダーを頂いた方が最後に悩まれるのは網の色
「何色あるんですか?」
と聞かれることが多いのですが、現状では決められた色はありません。ご希望に近い色に染めてから編み始める形をとっております。
最初から色を決めてオーダーされる方もいらっしゃいますが、多くの方はフレームに最初の塗装が入ってから決めて頂いております。
最初に言われていた色から全く違う色にされる方もいらっしゃいます。

 今まで編んで余った糸が補修用として保管してあります。まずは希望の色をお聞きしてから似たような色を選び、枠内に置いた写真をお送りします。その中から「もう少し暗く、明るく、濃く、薄く」など、それに合わせて染めます。一発で決まればいいのですが、数度のやり直しをすることも。
染めた糸が乾くと若干薄く白っぽい仕上がりになりますので、それも考慮してください。魚を入れて写真を撮る時には濡れ色に、釣れる前の背中に下がってる状態は乾いた色です。あまり釣れない方は乾いた色で...余計な御世話でした。



「編んでから染めるんでしょ」
と聞かれることも多いのですが、その方法はやっておりません。確かに後染めの方が、時間がある時に編んでおけるので効率が良いです。ですが、編み目(結び目)の中は染まらずに白いまま。濡れると糸が縮む為に染まっていない部分が出てきてしまうのです。大きな魚の時には目立たないのですが、小さな魚では...

生成りのような色も可能です。染めないものは本当に真っ白なので淡い色で染めています。

 染料はDYLON、RITなどを使っております。
「自然染料ではないのですか?」と聞かれます。糸がナイロンなので自然染料では染まりが悪く、色を出すのが大変な為に使っておりません。それと自然染料には毒性が高いものもあり、それらの処分問題もあります。

何を手に入れるのにも色はかなり悩みますね。でも、それが楽しい時間。街中で見かけるものが気になったりするものです。そんな写真を撮って送って頂いても構いません。釣りと一緒で楽しみましょう。

2017年9月13日水曜日

釣りは楽しい

 9月に入った途端に誰かがスイッチを切り替えたかのように秋模様になりました。そろそろ魚たちも遡り始めるだろうと、ちょっと深い谿に向かいます。

入ってすぐに滝が連続するので今まで入ったことがありませんでしたが、手前から高巻いて尾根上に出てみることに。「ヒーヒー」言いながら上がると下の方にピンクテープが。どうやらここまで上がらなくても巻けたようです。数個の滝をパスして入渓。目の前にはいきなり良いポイント。岩陰に隠れながら釣りの準備を始めます。

 先週は大きな毛鉤に反応が悪かったので、前日に巻いた#12エルクヘア・カディスを結びます。上の段から落ちた水が泡を含み、それが消える辺りの岩脇に一投目を入れようと決めラインを出します。1mほど脇の水面ギリギリに垂れ下がった枝が嫌な感じでしたがキャストには影響ない位置でしたので投げ込みました。50cmほど流すと小さな飛沫。竿を立てラインを手繰るとJP ROSS MUIRがバットから絞り込まれます。その瞬間、気にしていた枝が揺れました。
「あ、絡んでる。だからこんなに重いんだ」
竿を右に倒して絡みを取ろうと試みますが、そこを支点にして水中に刺さるラインが左右に走ります。右に大きく走った瞬間、ラインが外れました。すると今まで以上に竿が曲がります。
「あ、でかい」
なのに以外と冷静で、竿のしなり具合を見たり、ランディングネットの位置を確認したりしてました。こちらからも魚に近づきながらランディングネットを抜き、小さな溜まりで網を濡らしランディング。
「やった!」
と言っていたと思います。そのまま水に着けシャッターを切りますがエラに水を通した状態で撮るのは難しいですね。しかも震えていたのが手振れが酷い(笑。サイズはメジャーの類を持たないのでわかりません。長さよりも驚いたのが太さです。よく、ここまで育ったもんです。魚体には細かい傷が走っています。ここまで遡ってついたものでしょう。数回シャッターを切りリリースしました。

 「もう帰ろうかな」
なんて思いましたが、せっかく入ったから先に進みます。ここって場所には必ず魚がいます。盛夏の頃とは違ってユッタリと浮上して毛鉤をくわえます。独りなのにウヒャウヒャ笑いながらランディング。楽しい、釣りはやっぱり楽しい。難しいことを考えず魚に合わせて釣りをするのは楽しいものです。

いつもですと同行のムラカミくんから
「また、そんな子場所を」
と言われるほど細かいところを釣ってるのですが、今日は大きめなポイントだけを打って進みます。それは竿を納めてからが長いから。

早めに谿からトラバーズ道に出て本流に降り、少し遡って脱渓 というルート。トラバース道の崩落個所が多く肝を冷やし、本流に降り立つ「ムラカミ新道」の尾根を早めに降りてしまい、違う支流の滝上に出るという失態で予想より遅くなりましたが無事、明るいうちに脱渓。

今月いっぱいで秩父も禁漁に。あと1回くらい行けそうです。その時には落ち葉も増えてることでしょう。なんとなく寂しく感じますが、釣りは楽しいです。